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美味しいコーヒーには理由(わけ)がある。

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2013年 02月 11日

一途(ひたむき)に愉しみ、惜しみなく伝える人 【グラウベル 狩野さん】

私がこの仕事(マヤビニックコーヒーを日本で紹介する仕事)をしている上で、大きな拠り所となる人がいます。
私がこのコーヒーに出合うもっと前から、マヤビニックコーヒーを扱い、マヤビニックコーヒーのチャームポイントを探り、他のロースターさんへと広げた方です。マヤビニックに限らず、
「コーヒーの愉しみをもっと伝えたい」
「コーヒーの愉しみをもっと広げたい」
という気持ちが背中に見えるように感じるこの方の好奇心は、私がマヤビニックを日本で販売する動機のひとつになっています。いつもいつも、ふわっとした柔らかさで、背中を押してくださる方です。そして、コーヒーの愉しさ、むずかしさ、そして喜びを教えてくださる方です。



その人こそ、グラウベルの狩野知代さん。
私が狩野さんを紹介するまでもなく、すでに多くのコーヒーファンから支持されているロースターさんです。
狩野さんのコーヒーを愛するファンは多く、私のところにも、狩野さんが焼いたマヤビニックが飲みたい、と指名される方がいらっしゃいます。



狩野さんが焼いた豆はなにかが違う。
いただくときに狩野さんの焼いた味がする。香りなのかな。味そのものなのかな。それともその両方?

私は狩野さんにたずねました。
「狩野さんの豆は同じマヤビニックだけど何かが違います。何かエキスとか混ぜてますか?」

結構、真顔で聞いたと思います。いつも不思議に思っていることだったので・・・。でも狩野さんは笑って一蹴しました。愛情とか思いやりとかひたむきさとかやさしさとか、そいういものが味に伝わるのだろうか。コーヒーをデータで捉える人には、きっと鼻で笑われるかもしれません。でもそのデータを積み重ねるような経験こそが愛なんじゃないかと思ったりもします。きっと狩野さんのコーヒーはそうやって日々の努力で生まれているのだと思います。でも、それは汗や涙を想像させるものではなくって、大好きなことに夢中になっている子どものような純真さから出るパワーのように思います。

それに、狩野さんのコーヒーと同じくらい、狩野さん自身の魅力にはまり、グラウベルさんが開講する講座に通う方も多いはずです。



先日、私は、その狩野さんのお宅を訪ねました。
私の方から、ニュークロップのオーガニックとトランジション(有機移行豆)の感想をお聞きしたいとご連絡させていただきました。すると、狩野さんは、それぞれの豆に対して、3パターンの焙煎度合いで焼いた豆を用意してくださっていたのです。ご多忙中に2種類の豆×3パターンの6通りも焙煎するのは、私の想像以上に大変なことだと思い、恐縮するとともに、非常に有り難いです。
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さっそく、という感じで、まずは中煎りのマヤビニックをフレンチプレスで抽出することになりました。その間も、狩野さんはさまざまにコーヒーの話をしてくださり、私の好奇心に新たな風を吹き込んでくださいます。
それにしても、目の前に並ぶ色ぞれぞれの豆がすべてマヤビニックで、これからマヤビニックコーヒーの味を狩野さんとふたりきりで確かめることができるなんて、なんだか贅沢すぎて、今すぐにでもたくさんのコーヒーファンを呼んで、この幸運な時間を共有したいと焦ったくらいです。
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ブラインドで飲んでみよう。



という狩野さんの掛け声で、どちらがオーガニックか、トランジションかわからない状態を作り、飲み比べます。
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すると明らかに味が違う。
ひとつのカップは、味がどこかぼけているような印象がありました。
正解、それがトランジションでした。



次にシティローストの豆を今度はハンドドリップで。
私は先に焼いていただいたミディアムローストくらいでも十分にいけると感じましたが、マヤビニックの程よい焼き上がりはやっぱりこのシティローストだと多くの方が口を揃えます。
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こちらもブラインドでカップに口をつけ、すすると、これもやっぱり歴然。オーガニックの圧勝です。この頃には、オーガニックのマーケットと、トランジションのマーケットをしっかり分けて販売してあげたいと決意していました。自社で、自家焙煎店さんに卸す豆は、オーガニックのみとし、トランジションは別の有効活用方法を考えなければなりません。

産地に対して品質の向上を求めることと同時に、高品質とは言い切れない豆をどのように「活用」するかも、フェアトレードカンパニーの「役目」だと考えます。こちらは、課題として心に留め、その解決策を提示できるように準備したいと思いました。



最後に、イタリアン~フレンチローストに焼いた豆をいただきました。
さすがにこれくらい深煎りになると、判別がつきにくかったです。迷った挙句、単純に「こっちがオーガニックだったら嬉しいな」という方をあげると、それがオーガニックでした。



狩野さんのおかげで、私はある決断をすることができました。
こちらは敢えて書きませんが、これは弊社にとって重要な決断となりました。今はその決断を前に推し進めるために精力を傾けています。この決断については、時期を見て、記事にしたいと思います。



グラウベルの門構えとしては、「コーヒー豆のネット通販」と「ご自宅でのコーヒー教室」ということになるのですが、その中で狩野さんはさまざまにコーヒーを表現し、それぞれ幾通りもの愉しみ方も提供しています。
私は、(私が感じる限りの)狩野さんのコーヒーに対する価値観のコアとなる太い部分に、深く共鳴します。それはコーヒー云々ももちろんですが、ひとりの人として、狩野さんのことが好きだからだと思います。



一杯のコーヒーに傾けたそれぞれのロースターさんの思いは、しっかりとカップに注がれています。
私は、私の役割の中で、何ができるのか・・・自分の存在意義を探る時間がまだまだ必要だと感じました。
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2月21日からの静岡パルコの催事で、やっぱり狩野さんに焼いてもらおうと思っていますので、こちらもお楽しみに!



◆グラウベル
www.glaubell.net/

◆Maya Vinic Coffee
www.mvcoffee.net

by ftp-maya | 2013-02-11 21:17 | ロースターさん


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